阿含経典にて語られる、仏教の基本的な世界観の概略です。 このままでは全然わからないと思いますので、少しづつ補足説明をしていこうと思います。
すべての苦は、以下のように、無明から老死までの一連の作用から生起する
これを、縁によって起こる(縁起)と呼ぶ
無明(むみょう)(無知)
- 苦についての無知
- 苦の生起についての無知
- 苦の滅尽についての無知
- 苦の滅尽にいたる道についての無知
行(ぎょう)(意志のうごき)
- 身における行
- 口における行
- 心における行
識(しき)(識別する作用)
- 眼識
- 耳識
- 鼻識
- 舌識
- 身識
- 意識
名色(みょうしき)(五蘊)(人間はこれらから構成されている)
- 名(五蘊でいう受・想・行・識)人間の認識作用
- 受(感覚)
- 想(表象)
- 思(思惟)
- 触(接触)
- 作意(意志)
- 色(五蘊でいう色蘊)物質・形あるもの
- 四大種(地・水・火・風)およびそれによって成れるもの
六処(ろくしょ)(六根六境によってなる認識)
- 眼の認識
- 耳の認識
- 鼻の認識
- 舌の認識
- 身の認識
- 意の認識
触(そく)(接触)
- 眼による接触
- 耳による接触
- 鼻による接触
- 舌による接触
- 身による接触
- 意による接触
受(じゅ)(感覚)
- 眼の接触によりて生ずる感覚
- 耳の接触によりて生ずる感覚
- 鼻の接触によりて生ずる感覚
- 舌の接触によりて生ずる感覚
- 身の接触によりて生ずる感覚
- 意の接触によりて生ずる感覚
愛(あい)(渇愛)
- 物に対する渇愛
- 声に対する渇愛
- 香に対する渇愛
- 味に対する渇愛
- 感触に対する渇愛
- 法(観念というほどの意)に対する渇愛
取(しゅ)(取著(しゅじゃく))
- 欲に対する取著
- 見(所見)に対する取著
- 戒(戒禁)に対する取著
- 我(が)に対する取著
有(う)(存在)
- 欲界(欲望の世界)の存在
- 色界(物質の世界)の存在
- 無色界(抽象の世界)の存在
生
- 身体の各部のあらわれ
老死
- 老
- 老い衰え
- 朽ち破れ
- 髪しろく
- 皺生じて
- 齢かたむき
- 諸根やつれたる
- 死
- 命終わり
- 息絶え
- 身躯やぶれて
- 死して遺骸となり
- 棄てられたる
- 愁
- 悲
- 苦
- 憂
- 悩
この一連の作用によって苦が生まれてくる状態を、正しからぬ道という
無明を滅することで、その下部構成は滅する
そうしてすべての苦が滅する。
これを正しい道という
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