お知らせ

阿含経典解説 その1【阿含経典からみたこの世界の構造】

阿含経
阿含経典にて語られる、仏教の基本的な世界観の概略です。
このままでは全然わからないと思いますので、少しづつ補足説明をしていこうと思います。

すべての苦は、以下のように、無明から老死までの一連の作用から生起する
これを、縁によって起こる(縁起)と呼ぶ

無明(むみょう)(無知)

  • 苦についての無知
  • 苦の生起についての無知
  • 苦の滅尽についての無知
  • 苦の滅尽にいたる道についての無知

行(ぎょう)(意志のうごき)

  • 身における行
  • 口における行
  • 心における行

識(しき)(識別する作用)

  • 眼識
  • 耳識
  • 鼻識
  • 舌識
  • 身識
  • 意識

名色(みょうしき)(五蘊)(人間はこれらから構成されている)

  • 名(五蘊でいう受・想・行・識)人間の認識作用
    1. 受(感覚)
    2. 想(表象)
    3. 思(思惟)
    4. 触(接触)
    5. 作意(意志)
  • 色(五蘊でいう色蘊)物質・形あるもの
    1. 四大種(地・水・火・風)およびそれによって成れるもの

六処(ろくしょ)(六根六境によってなる認識)

  • 眼の認識
  • 耳の認識
  • 鼻の認識
  • 舌の認識
  • 身の認識
  • 意の認識

触(そく)(接触)

  • 眼による接触
  • 耳による接触
  • 鼻による接触
  • 舌による接触
  • 身による接触
  • 意による接触

受(じゅ)(感覚)

  • 眼の接触によりて生ずる感覚
  • 耳の接触によりて生ずる感覚
  • 鼻の接触によりて生ずる感覚
  • 舌の接触によりて生ずる感覚
  • 身の接触によりて生ずる感覚
  • 意の接触によりて生ずる感覚

愛(あい)(渇愛)

  • 物に対する渇愛
  • 声に対する渇愛
  • 香に対する渇愛
  • 味に対する渇愛
  • 感触に対する渇愛
  • 法(観念というほどの意)に対する渇愛

取(しゅ)(取著(しゅじゃく))

  • 欲に対する取著
  • 見(所見)に対する取著
  • 戒(戒禁)に対する取著
  • 我(が)に対する取著

有(う)(存在)

  • 欲界(欲望の世界)の存在
  • 色界(物質の世界)の存在
  • 無色界(抽象の世界)の存在

  • 身体の各部のあらわれ

老死

    • 老い衰え
    • 朽ち破れ
    • 髪しろく
    • 皺生じて
    • 齢かたむき
    • 諸根やつれたる
    • 命終わり
    • 息絶え
    • 身躯やぶれて
    • 死して遺骸となり
    • 棄てられたる

この一連の作用によって苦が生まれてくる状態を、正しからぬ道という

無明を滅することで、その下部構成は滅する
そうしてすべての苦が滅する。
これを正しい道という

コメント

タイトルとURLをコピーしました